2012-01-01

Music 2011 pt.2 - my best METAL & another 5

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それでは、メタル系ベスト10をつらつらとあげていきます。
10選に漏れた次点数作についても、ついでに書いてみます。
なお、順番は適当です。最後にプラス5枚もあげます。


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2011年は、このアルバムで幕を開けた、という思いがことのほか強いです。



TIMES OF GRACE / The Hymn Of A Broken Man

KILLSWITCH ENGAGEのアダム・デュトキェヴィッチのプロジェクトで、
バンド名はNEUROSISの1999年の名盤と同じ、TIMES OF GRACEです。
元KsEのヴォーカリスト、ジェシー・リーチと組んだことが話題になりました。

それもそのはず、あの名盤 Alive, Or Just Breathing (2002)以来のタッグでした。
わたしも『Alive~』は相当聴きました。あれが、メタルコア浮上の最大の契機でした。
それだけの作品だったし、以後、あれを超える同系統の作品はほとんどありません。

本作は、そうしたメタルコア成分が年季を経た音楽的成熟度によって多少減退し、
よりオーガニックでエモーショナルな、そして「慈愛に満ちた」ものとなりました。
歌われる内容も、「怒りや悲しみ」から「祈りや愛」へとシフトしています。

ある種、気恥ずかしいまでの「青さ」を持った感動作、と言えます。(揶揄ではなくて。)
でも、その倫理性に説得力と切実さを感じます。メロディ派にも聴いてもらいたいですね。


次の作品に参りましょう。北欧ものを、3点ほど。



BAD HABIT / Atomosphere

スウェーデンのメロディアス・ハードの雄、BAD HABITの6thアルバムです。

今年はメロディアス・ハード勢の秀作が目立ちました。これはレーベルの頑張りでしょう。
TEN、THE POODLES、LIONVILLE、WORK OF ART、GRAND ILLUSION、
SHADOWMAN、OUTLOUD、HOUSE OF LORDS、KIMBALL/JAMISON、
THE MAGNIFICENTと、バンドもプロジェクトもとても質が高かったです。

基本的に、音楽性の定まっているこの音楽では、冒険的なことはあまりできません。
だからこそ、定型を極限まで煮詰め、いかに質を高めるかに焦点が絞られるのです。
その点、本作に勝るものはいくつかありました。帝王JOURNEYの新作すらありました。

並みいる強豪のなか本作を選んだのは、ヨナス・レインゴールドによる音作りのためです。
他の作品はほとんど標準的な音作りで、言うならば「ハードなAOR」と呼べそうなもの。

一方、こちらは現代的な力強さと鋭さがあり、かつ煌びやかさ/華やかさがあります。
そこがとても新鮮でした。作品自体、復帰作となった4th以降でベストの出来です。
ただ、ヴォーカルに好みが分かれるかもしれません。傑作3rdでは気にならないんだけど…。




AMORPHIS / The Beginning Of Times

フィンランドのAMORPHISは、トミ・ヨーツセンが加入してから絶好調で外れなしです。
その記録をさらに伸ばしました。ここまでハイレベルをキープしているバンドは稀です。
ARCH ENEMYCHILDREN OF BODOMも健闘したけど、このクオリティは敵わない。

70年代ハードロックやプログレの咀嚼力が高く、そこに民族性を塗す手法も発展してます。
さらに、デス・メタル時代の凶暴性もうまいことブレンドしていて、脱帽するしかないです。

個人的に前作が大好きだったので、そちらほどには聴き込まなかったのですけど、
あらためて聴き返すたびに感嘆します。(ただ、デス色は少なめでいい気もします。)

歌詞も素晴らしく、知的なSFファンタジーが好きな方にも聴いてもらいたいですね。
(ジーン・ウルフやジョン・クロウリーのファンに受けそうなのですけど…?)




PAIN OF SALVATION / Road Salt Two

スウェーデンの元プログレ・メタル・バンド、PAIN OF SALVATIONの8thアルバムです。

かつてはDREAM THEATER型プログレ・メタルでしたけど、すでに独自路線を切り開いていて、
毎回コンセプト作を発表している通り、本作も前年のRoad Salt One の続篇という体裁です。

この『Road Salt』二部作はストーリー・アルバムというわけではないようなのですけど、
映画で言うなら「グランド・ホテル形式」の、群像劇的な構成となっているようです。
(残念ながらBURRN!誌がOneもTwoもインタビューなしだったため、詳細が…ああ。)

前作が山や森を思わせたのに対して、本作は海や岸辺といったものを想起させられます。

郷愁を誘う民謡調の旋律や、ジャジーと言うよりはR&B的なギターなどを取り入れつつ、
前作で提示した「70年代的なオーガニックな質感のロック」という新機軸を進化させ、
かつ、ダニエル・ギルデンロウ一流の感情表現豊かなヴォーカルに磨きをかけています。

世界でもっとも個性的なバンドのひとつだと信じて疑わないわたしですが、
残念ながら、長年連れ添った「筋肉ギタリスト」(?)のヨハン・ハルグレンと、
「孤高の鍵盤坊主」フレドリック・ヘルマンソンの脱退が決定したようです。

こんなことなら、海外までライブを観に行くんだった…。残念すぎて鬱になりそうです。
とっつきにくいバンドですけど、この二部作は聴きやすいので是非聴いてほしいです。



過去のヴォーカリストが復帰して素晴らしい作品を届けてくれたバンドを紹介します。
ひとつは賛否両論の作品、もうひとつはだれもが諸手を挙げて歓迎した作品です。




MORBID ANGEL / Illud Divinum Insanus

原初のデス・メタル・バンドの一角、フロリダのMORBID ANGELの8thアルバムです。

ヴォーカルにデイヴィッド・ヴィンセントが復帰しての新作は、賛否両論となりました。
どうやら「否」の方が多かったようで、世界中のデスメタラー諸氏の怒りを買いました。

でも、生粋のブルータル・デス系が苦手なわたしにとって、本作はとても聴きやすく、
「キャッチーなヘヴィ・ロック」と言えそうなほどのノリの良さ(!!)が気に入りました。

もっとも「これぞ帝王」なブルータル極まりない邪知暴虐ナンバーも健在で、
正統派メタルを独自に解釈し再構成するその手腕には感心させられます。

それと、はっきり歌詞を聞き取れるデイヴィッドのヴォーカルも特筆ものです。
ここまで声を歪ませながら「歌える」強靭な喉に驚嘆します。美しいデス声とはこのこと。
トレイ・アザトース閣下のわけわからないフラッシーなギターも魔闘気全開ですし、
ヘルプのドラマー、ティムもピート・サンドヴァル不在という大穴を埋めています。

スラッシュ/デス/ブラック方面に特化した方よりも、そうでない方に聴いていただきたい。
アメリカのヘヴィ・ロック勢が好きな方は、本作が気に入る可能性大だと思うのですが…?
(9月末の来日公演も素晴らしく、いずれどこかに書いておきたいです。)




ROYAL HUNT / Show Me How To Live

デンマークの様式美ハードロック・バンド、ROYAL HUNTの11thアルバムです。

アメリカ人ヴォーカリストのD.C.クーパーが12年ぶりに復帰したこの新作は、
彼が在籍時の音楽性にその後の各自の成長を刻みこんだ、理想的な「再結成」作でした。

ロブ脱退後のJUDAS PRIESTが新ヴォーカリストのオーディションをしていたとき、
その最終選考に残っていたことからも窺えるように、D.C.の歌唱力はズバ抜けてます。
ロウ~ミドル~ハイのコンビネーションは強力で、衰えないどころか深みが加わりました。

近年の成果を反映して7曲43分となってますけど、曲は長くてもキャッチーで聴きやすいし、
なにより、D.C.の歌が秀逸で、クラシック・バレエのような豪奢な音楽性がより映えます。

ある意味「西洋歌舞伎」とも言えそうな大仰さではあるけど、彼らはどこか垢抜けていて、
その洗練されたアレンジ能力も相まって、今年最高のハードロック作になったと思います。
5月の来日公演が決まりました。D.C.のヒーロー戦隊的パフォーマンスが、再び…。)



国内勢は例年になく活発だった気がします。ベテランから新人まで、とても精力的でした。

LOUDNESS、EARTHSHAKER、ANTHEMが新作を発表し、DEAD ENDも三ヶ月連続リリース中です。
VOLCANO、DEFILED、CONCERTO MOONなど中堅(もうベテランかな?)も体制を整えました。

彼らのように、コンスタントに活動することの困難さを知り尽くしているバンドが、
後続を活気づけてくれることは素晴らしいことなのですが、ファンに世代の壁があります。

新生DEAD ENDはその壁を克服しつつありますが、日本人にとって「世代」は大きな壁です。
ここで日本人の心性における社会学的講義をする余裕はないのだけど、どうにかならないかな。


この世代だと、わたしにはSABER TIGERの新作『Dicisive』がもっとも印象的でした。超攻撃的かつテクニカル/メカニカルなリフと、猛々しく雄々しいヴォーカル。そして、「看板」と言うべきメロディアスなギターソロとハーモニーも強力。

ただ、もう少し「引き」の部分が、「怒」だけでなく「哀」が欲しかったです。わたしはその「哀」の部分に強く惹かれていたので、ちょっと疲れちゃったのでした。



Versailles、lynch.、MERRY、NoGoD、the GazettEなど、所謂「ヴィジュアル系」にこそ、
良質で現代的なHR/HMは求められる、という意見も徐々に増えてきたように思います。
DELUHIの解散は残念でした。作品発表も中途半端だった。音楽はよかったのに。)

やり方は違えど、確かに彼らの音楽にはメタルの要素が多く「まんまメタル」なのもあります。
残念なことに、メタル系リスナーはそれを歓迎していないようです。理由は様々でしょう。

もっと虚心に聴いてほしい、とバンド側も思っているのでしょうけど、
V系ではないバンド側の反発も根強いようで、なかなか難しい問題です。


この界隈では、今年最大の作品はDIR EN GREY『DUM SPIRO SPERO』でしょう。とうにV系から遠く離れたディルです。2010年のLOUD PARKも好評だったようだし。
元々、かなりクセのある楽曲展開を施すバンドでしたが、本作でそれは頂点を迎えました。
それが、わたしにはちょっと着いていけなかった。奇を衒いすぎでは、と思ったのです。当人たちにそのつもりないかもしれないけど、本当に楽曲が「その展開」を求めたのか?そう思う場面が多かった気がします。
作品自体は、とても個性的で完成度の高いものでした。


まあ、この作品を聴く前に、ヴァッケンでの彼らの醜態をネット生中継で見て、
冷めてしまったことにも一因はあるのかもしれません。また聴いてみます。


Pay money To my Pain、CROSSFAITH、coldrain、TRIBAL CHAIRなど、
ヘヴィ・ロック~スクリーモ~メタルコアなどを横断するバンドも増えました。

わたしはメタルコア的な音楽に批判的なので、彼らの音楽にもそれほど入れ込めません。
それでも、日本的(歌謡曲的)歌メロや、海外の同系バンドに並ぶライブパフォーマンスなど、
見るべき/聴くべきところがあることは大いに認めますし、実際彼らには力があります。
でも、国内ならともかく世界という枠で考えると、決定的な個性に欠けると思うのです…。


女性をフロントマンに立てただけでなく、全員女性からなるバンドもかなり増えました。
「嬢メタル」という言葉はもはや定着してしまったようですけど、音楽を示していないし、
それに「嬢」にはどこか蔑称に近い嘲りや軽視といったニュアンスを含んでいる気がします。

ですからわたしはその言葉は使いませんが、ムーヴメントとしての「女性中心バンド」は、
耳目を引くものとして暫く取り沙汰されることは間違いなく多いのでは、と思いました。

Aldiousがその筆頭でしょう。玄人界隈ではTEARS OF TRAGEDYの評価が高かったようです。
春に2ndを発表したLIV MOONも前作から進歩し、早くも今月に新作が控えているのだとか。
LIGHT BRINGERのメジャー移籍も話題となりました。これまた新作は今月リリースですね。


他に、特記すべきバンド群としてSUM RIZE、LIGHTNING、DRAGON GUARDIANをあげておきます。

いずれもギタリストのKoutaさんが関わっているバンドないしプロジェクトで、
メロディアスかつテクニカルなギターと、情熱的なヴォーカルが売りの正統派メタルです。

SUM RIZEはこれからのバンドだったのに、もう活動休止になってしまって残念です。
やや似た曲が多かったかもしれないけど曲の質は高く、次作を期待していたのですが…。
LIGHTNINGは再録盤、パリ公演、新ヴォーカルを迎えての新作と、大忙しでした。
Iron/Kouta両ギタリストの違いも魅力ですが、新体制となったまさにこれからのバンドです。
DRAGON GUARDIANだけは、まだ未聴です。でも、今回も素晴らしい仕上がりだとか。


この系統では、GALNERYUSの人気が決定的となった年だったように感じました。

小野正利さんが加入されてからそれまで以上に右肩上がりの景気のよさでしたけど、
新作『Phoenix Rising』の評価もよく、多くのファンのかたの呟きを見た覚えがあります。

ただ、曲は素晴らしいと思ったものの、英語に違和感がありました。わたしだけなのでしょうか?
文法や発音がおかしいというよりは、英語らしい「リズム」が失われているように感じたのです。

日本語で歌うべきメロディを、英語で歌っているというか…。英語なのに、日本語に聞こえるというか…。
日本語のパートはまったく問題なかったので、むしろ全編日本語詞にしてほしかったです。
といっても、そんなことを気にする人間は稀でしょうから、あれはあれでいいのだと思います。
実際、曲の完成度は高く、歌唱も演奏も申し分ない出来です。さらに人気が出ることでしょう。


さて、ここを「日本人枠」にするつもりではなかったのだけど、そうなってしまいました。
わたしはとくに「洋楽至上主義者」ではありません。そもそも「主義」を持てない人間です。
たまたま、今年は10選に国内バンドがひとつだけだったまでのことです。他意は御座いません。

今年、もっとも凄みのある作品でわたしを圧倒してくれたのは、これでした。



UNITED / Tear Of Illusions

新ヴォーカルにクウェート人のKen-Shinを迎えたUNITEDの9thアルバムです。
結成は1981年にまで遡ります。オリジナル・メンバーはすでにいません。

去る12月2日(金)に、結成30周年を祝うライブがO-Westでありました。
歴代メンバーを交えてのステージを観ながら、現編成の凄まじさに感じ入りました。

その音楽性は基本的にスラッシュ・メタルです。それ以外の何ものでもないとさえ言えます。
でも、90年代後半のヘヴィ・ロック的なそれや、2000年代初頭以降の同時代的な質感から、
そう一概に「スラッシュ」とも言えない、密度の高いヘヴィ・ミュージックとなっています。

常に「現役バンド」であり、そのためにあらゆる同時代的な音を呑み込んできたため、
パッと聴く分にはスラッシュだけど、よく聴くとプログレやヘヴィ・ロックなど、
メンバーの音楽的素養が透けて見えるようなものを感じる場面が多々あるのです。

それにしても、ハリー/大谷両先輩のギターには鳥肌が立ちます。世界屈指のレベルです。
これまでも絶え間なく成長してきましたけど、今後もそうでしょう。脱帽せざるを得ません。


それでは、残り3枚をつづけて紹介しましょう。順不同です。




Steve Hackett / Beyond The Shrouded Horizon

元GENESISのギタリスト、スティーヴ・ハケット御大の新作です。たぶん16thアルバム。

ハケット師は、2010年にライブを観てその音のあまりの美しさに感銘を受けました。
淡くも分厚いコーラスワークも素晴らしく、非の打ちどころがありませんでした。
ライブとほぼ同じ布陣で制作したのがよかったのか、本作も素晴らしいものとなってます。

彼は、何をやってもファンタジックになります。幻想派の巨匠と勝手に呼んでるほどです。
メロディアスであると同時にミステリアスな感触もあり、情景喚起的でありつつキャッチー。

前作以上に多くの楽曲を取り揃えてきました。(ホントは2枚組の輸入盤がお薦めです。)
ロック、プログレ、クラシック、ブルーズ、ワールドミュージック、なんでもござれ。

この瑞々しさ、そして柔軟な表現とアイディア量は、還暦を過ぎたギタリストとは思えません。
枯淡の境地には分け入らず、自身の幻想境にてきょうも悠々自適の活動をする…。敬服すべし。




ICED EARTH / Dystopia

新ヴォーカルにステュウ・ブロックを迎えた米国産メタル、ICED EARTHの10thアルバムです。

正直に言って、ティム"リッパー"オーウェンズ時代の彼らにはピンときませんでした。
Glorious Burden (2004)はよかったけどその後の作品がいまいちで、こころが離れました。
マット・バーロウが戻った前作も同様で、この新作にも期待していたわけではありません。

でも、これが素晴らしかったのです。ヴォーカルはマットにそっくりで、しかもさらに歌える。
ダークなアメコミ調の世界観をパワーメタル化した音楽性も、焦点が定まったのかブレません。
大作主義的な作風からもっとコンパクトなそれに戻ったことで、リフやソロがより活きています。
ところどころ、メロウな曲やパートが出てくるところも彼らならでは。久々の快作でした。

彼らは、来日公演を行ったことがありません。この新作を機に、是が非でもライブが観たいです。




FAIR TO MIDLAND / Arrows & Anchors

なんとも形容し難い米国産ヘヴィ・ロック・バンド、FAIR TO MIDLANDの4thアルバムです。

SYSTEM OF A DOWNのサージが運営するレーベルと契約したことで浮上してきたバンドで、
ヘヴィ・ロック、今風メタル、スクリーモ、民族音楽など、その音楽因数が多いバンドです。
歌詞も、寓話的/象徴的/抽象的なもので、要するに「なんだかヘンテコ」、なのでした。

ふたつ前のブログでビデオを貼ってあるのでそちらもご覧になってほしいのですけど、
一種独特なスケール感のあるバンドで、わたしはすぐさまその世界に引き込まれました。

とても豊かなバックグラウンドのあるメンバーなのでしょう。そして、どこか狂っている。
そうでなければ、こうも個性的な音にはなりません。いま、いちばんライブが観たいバンドです。


では、残りの次点作を、箇条書きでさらっと書いていきます。

QUEENSRŸCHE --- とても面白い。とくにリズム隊は必聴です。無名バンドなら応援したかも。
DEVIN TOWNSEND PROJECT --- 四部作その三と四。この四作を一枚に濃縮していたら…。
CHTHONIC --- 10選に入れたかったです。ラスト10秒が尻すぼみでもったいなさすぎる!
DREAM THEATER --- ブログに書いた通り秀作でした。でも、傑作が聴きたい。そうゆうことです。
OPETH --- デス声を封印しての一作。ミカエル流のプログレでしたが、それなら70年代のを聴く、と。
MASTODON --- コンパクトな作風になったら元々奇妙なヴォーカルが際立ってしまい違和感が。
MACHINE HEAD --- 前作の後篇的な。となると、前作が上かな、と。もちろん出来は素晴らしい。
MEGADETH --- これは「熱い」メガデスなのかな。冷やかなムードがもっと欲しかったのかも。

さらっとしすぎたかな。これにサーベルディルを入れて20選としてもよかったのですけどね。
少し捕捉すると、この内どれも作品の出来はわたしの10選と交換可能なものだったと思います。

まあ、QUEENSRŸCHEだけ「違う」かな…。クリスが抜けてから、歌メロ壊滅したままですから…。
でも、曲自体は面白かったです。CHTHONICMASTODONは最後まで悩んでから落としました。
デヴィンも、作品はよかったけど四部作すべてにどこか「水増し」パートがある感じがしまして。

PROTEST THE HERO、VICIOUS RUMORS、HELL、SEPTICFLESH、WISDOM、RIOT、
THE ANSWER、RIVAL SONS、SYMPHONY X、Neil ZAZAあたりもよかったけど、買ってなくて…。

そんなこんなのメタル系10選でした。触れてない作品が多くて恐縮ですが、こんなとこで。



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では、プラス5です。ここでは、選定の除外対象としていた①②③から選びます。
輸入盤、発掘盤/ライブ盤、ライブ盤、EP、DVDの五つです。これは外せなかった。

まず、輸入盤のこれから。しかもジャズです。



Ken Peplowski / In Search Of... [Jazz/Import]

ケン・ペプロフスキーはアメリカのクラリネット/テナーサックス奏者です。1959年生まれ。
契約上の都合なのか、ヴィーナス・レコード以外のものは国内盤が出ないようです。

金管楽器が苦手で、ジャズはあまり聴きません。むかしよりは聴けるようになりましたが。
ピアノものやギターものは聴くし(地味だけど)、少しずつだけど領域を拡大しています。

クラリネットの柔らかな音が好きで、これはその魅力がたっぷりと味わえる好盤です。
1~9、10~12で録音の編成が違うので、そこで趣きが変わります。前半が好きです。
上品に紡がれていく音はあたたかみがあって、のんびりした夜ふけに最適かと思います。




Rory Gallagher / Notes From San Francisco [Unreleased/Live]

ブログに散々とあれこれ書いたので、そちらを参照してください。
熱き血潮の故アイリッシュ、発掘音源とライブ盤の好企画です。




DEF LEPPARD / Mirror Ball [Live]

これまたライブレポであれこれと書きましたから、そちらを参照されたし。
あの素晴らしいライブのように素晴らしいライブ盤。新曲3曲もDVDもよい。




Rouse Garden / そこにあるひかり [EP]

Rouse Garden (ラウズ・ガーデン)の通算3作目となるミニアルバムです。
これまたブログで書きましたけど、念を押してここでも少しだけ。

わたしは基本的にコンポで音楽を聴いているのですけど、外出中はiPodで聴きます。
で、iTunesの再生回数だけで今年の音楽を測ると、ダントツでこのEPが一位でした。
これがもう圧倒的で、それだけ何回も聴いたのです。これからも聴いていくでしょう。

ただ、音源の入手には能動性が求められます。ここから注文しなければなりません。
いちばん簡単なのは、ライブに行って旧作もろとも三枚まとめて買うこと、ですね。
次回のライブは1月12日、代々木Zher The Zooです。お待ちしています。(←何者や)




HEAD PHONES PRESIDENT / DELIRIUM [DVD]

HEAD PHONES PRESIDENTの、3rd DVDです。2枚組となりました。
ブログには書いてないけど、アマゾンのレビューに言いたいことは書いてあります。

なんだかんだで、ライブDVDというものはそんなに何回も見るものではありません。正直な話。
でも、これは相当見ました。何回も見たくなるほど、ここにはいつものHPPが収められています。
ショット数が多く、撮り方も特異なので疲れるかと思いきや、むしろ浄化されているのです。

このライブが収録された日についてはライブレポも書きました。それも前後篇にわたって。
たしかに、不思議なカタルシスのあった日でした。その浄化の過程を、是非ご覧いただきたい。



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以上が、わたしの20選プラス5枚でした。いかがでしたでしょうか。

「作品の小粒化」が言われるようになって久しい昨今ですけど、
いい作品がなくなったのではなくて、その様相が変わってきたこともあるでしょう。

もちろん、わたしだって60年代~70年代の傑作群を前にしたらひれ伏してしまいます。
クラシック・ロックを聴いたあとで最近の作品を聴くと、その差に戦慄することさえあります。
どうしてこうなった。この豊かな(痩せた)音楽はなんだ。技術が進んでもセンスが衰えてどうする。

そう思うこともあります。むしろ、その方が多いかもしれない。

それでも、わたしは現代の音楽にも素晴らしいものがあるとわかっています。
DEFTONESのライブレポでも書きましたけど、そこはこちらが感度を「チューニング」して、
その作品の持ち味を最大限に味わうことができるようにしておかねばならないと思うのです。

そんなわたしが選んだ20選(+5)は、いずれも味わい深いものばかりだと自信をもってお薦めします。


長くなりました。これで終わりにします。





あ、そういやWITHIN TEMPTATIONANTHRAX陰陽座、聴いてねえや…。

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2 件のコメント:

  1. 明けましておめでとうございます。
    2011年も10傑読みました。
    FAIR TO MIDLANDとHPP以外は全て未聴です・・。
    (次点は別ですが)
    新しいものに対しても偏見を持たずに聴く事は
    僕も大事にしていますが、まだまだです。

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  2. >Oceanさん

    おや、TTBを聴いてないとは意外でした。
    他は、まあ非主流派ですから気づかない方も多いでしょう(笑)
    このブログが新たな音楽との出会いとなってくれれば、と思います。
    Oceanさんには、TTBの他にハケット師、ロリー、ラウズがお薦めですね。
    まあ、急ぐものではないので、気が向いたら聴いてみてください。

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